料理をしている途中でタイマーをセットしたい。洗濯物を干しながら今日の天気を確認したい。掃除をしている最中に「洗剤がもう少しでなくなる」と気づいたので、忘れないうちに買い物リストへ追加しておきたい。
そんなとき、これまでは当たり前のようにスマホを手に取っていた人も多いのではないでしょうか。
もちろん、スマホを使えば大抵のことはすぐにできます。しかし、家事をしている最中に限って考えると、その「スマホを手に取る」という動作が思った以上に面倒です。
料理中なら手が濡れていたり、油が付いていたりしますし、洗濯中なら両手がふさがっていることもあります。さらに、スマホをリビングに置いたままキッチンで作業していれば、確認したいことがあるたびに取りに行かなければなりません。
そこで考えたいのが、スマホをもっと便利に使う方法ではなく、そもそもスマホを触らなくても済む場面を増やすことです。
実際、家事中にスマホで行っている操作の中には、画面を見なくても済むものがかなりあります。音声操作を上手に使えば、家事の流れを止めずに済ませられることは意外と多いです。
家事中のスマホ操作は「数秒」なのに、なぜ面倒なのか
タイマーを設定したり、天気を確認したりするだけなら、スマホを操作する時間そのものは数十秒もかかりません。
それなのに面倒に感じるのは、スマホを操作するまでに余計な動作がいくつも発生するからです。
タイマーをセットするだけでも意外と手間がかかる
たとえば、料理中に「7分のタイマーをかけたい」とします。
スマホが手元にあり、手もきれいなら簡単です。しかし、実際のキッチンではそう都合よくいかないことも多いでしょう。
手が濡れていれば一度タオルで拭き、スマホを探して画面を点け、タイマーアプリを開いて時間を設定します。そして操作が終われば、また料理に戻ります。
一つひとつは小さな動作ですが、問題なのは、料理の流れがそのたびに途切れてしまうことです。
特に、茹で時間や煮込み時間などを何度も管理する料理では、こうした小さな中断が積み重なります。
スマホを開くと別のことまで気になってしまう
もう一つ見落としやすいのが、スマホには情報が多すぎるということです。
タイマーを確認するために画面を点けただけなのに、メッセージの通知が目に入る。そのまま返信したら、今度は別の通知が気になり、気づけばSNSまで見ていたという経験がある人もいるでしょう。
つまり、スマホは便利である一方、一つの用事だけを済ませるには少し誘惑が多い端末でもあります。
家事の途中では、この情報量の多さが集中を切らす原因になることがあります。
家事とスマホの相性が悪い理由は「手で操作する」から
スマホの性能が足りないわけではありません。むしろ現在のスマートフォンは、家事で使うには十分すぎるほど高性能です。
それでも家事中に使いにくさを感じるのは、ほとんどの操作が「スマホを持つ」「画面を見る」「指で触る」という流れになっているからです。

家事はそもそも両手を使う作業が多い
料理では包丁や菜箸を使いますし、洗濯では衣類を持ち、掃除では掃除機や雑巾を使います。
つまり、家事の大半は手を使う作業です。
その途中でスマホを操作しようとすると、いったん今やっていることを止めなければなりません。
ここで発想を変えて、スマホを使うこと自体をやめるのではなく、家事中だけ操作方法を「手」から「声」に変えると考えると、かなり使いやすくなります。
そこで役立つのが、Alexaなどを利用できるスマートスピーカーです。
音声操作で済ませられることは、思っているより多い
スマートスピーカーというと、照明を声で点けたり、エアコンを操作したりする「スマートホーム」のイメージを持つ人も多いかもしれません。
確かに対応する家電を組み合わせれば、そうした使い方も可能です。
ただし、最初から家中の家電を買い替えたり、スマートホーム化したりする必要はありません。
むしろ家事中の使い方に限れば、もっと簡単なところから十分便利さを感じられます。
料理中のタイマーを声だけでセットできる
スマートスピーカーと家事の相性を実感しやすいのが、タイマーです。
料理をしながら、
「アレクサ、7分のタイマーをかけて」
と話しかければ、スマホを触る必要はありません。
パスタの茹で時間、煮込み時間、オーブンの焼き時間など、料理では時間を測る場面が意外と多くあります。
しかも、料理中は手が濡れていたり汚れていたりすることが多いため、こうした場面では音声操作のメリットが分かりやすく感じられます。
時間そのものを大幅に短縮できるわけではありませんが、作業を中断しなくていいという快適さは思った以上に大きいです。
日用品がなくなりそうな瞬間に買い物リストへ追加できる
家事をしていると、「そろそろ洗剤を買わないと」「キッチンペーパーがもう少ない」と気づくことがあります。
ところが、その場では覚えていても、買い物へ行く頃には忘れてしまいがちです。
そんなときも、音声操作ならその場で買い物リストへ追加できます。
スマホを探してメモアプリを開く必要がなく、気づいた瞬間に登録できるので、「あとで書こう」と思って忘れることを減らしやすくなります。
便利なのは、単なるメモ機能ではありません。
今いる場所から動かずに記録できることが、家事中には大きなメリットになります。
掃除や料理をしながら音楽を流せる
家事中に音楽やラジオ、ポッドキャストを流している人にも、スマートスピーカーは使いやすい存在です。
スマホの場合、曲を変えようと思えば画面を開いて操作しなければなりません。しかし、対応する音楽サービスを利用していれば、音声で再生や停止、曲送りなどの操作ができます。
掃除機をかけながら音楽を流したり、料理をしながらラジオ感覚で音声コンテンツを聴いたりする場合、画面を見なくて済む操作方法はかなり相性が良いです。

天気や気温を画面を開かずに確認できる
「今日は洗濯物を外に干して大丈夫かな」
「夕方は寒くなるのかな」
こうした簡単な情報確認も、音声操作が向いている場面です。
もちろん、雨雲レーダーを細かく見たり、1週間分の天気を比較したりするのであればスマホのほうが便利です。
一方で、「今日雨が降りそうか」「現在の気温は何度か」といった簡単な情報であれば、わざわざ画面を見る必要はありません。
大切なのは、すべてを音声操作に置き換えることではなく、画面を見る必要がない用事だけを声に任せることです。
家事で便利なのは「時短」よりも作業を止めなくていいこと
スマートスピーカーを紹介するとき、「時短になる」という表現がよく使われます。
しかし、実際にはタイマーを設定したり天気を確認したりするだけなので、一回あたりに短縮できる時間は数秒程度です。
それでも使っていると便利に感じるのは、時間の問題だけではありません。
家事のリズムを崩さずに済む
掃除をしている最中に、「明日は雨だったかな」と気になったとします。
スマホなら一度掃除を止め、端末を取りに行き、天気アプリを開いて確認します。
一方、スマートスピーカーが近くにあれば、掃除を続けながら声で確認できます。
この差は数十秒かもしれません。
ただ、家事をしている本人からすると、重要なのは秒数ではなく、今やっている作業から意識を切り離さなくて済むことです。
家事中の音声操作は「1日何分短縮できるか」よりも、「何回作業を止めなくて済むか」で考えたほうが、実際のメリットに近いでしょう。
スマートホームにしなくてもスマートスピーカーは使える
Alexa対応製品と聞くと、「照明やエアコンも全部スマート家電にしなければ意味がないのでは」と思う人もいます。
しかし、実際にはそんなことはありません。
スマートスピーカー単体でも、タイマーやアラーム、天気の確認、音楽の再生、買い物リスト、リマインダーなど、日常で使いやすい機能はあります。
そのため、最初はスマートホーム化を目的にするのではなく、家事中にスマホを触る回数を減らすための端末として使ってみるのも一つの方法です。
使っていくうちに、「照明も声で操作できたら便利そうだな」と感じたら、後から対応機器を追加していけば十分です。
最初から家中を変える必要はありません。
家事中の音声操作ならEcho PopやEcho Dotが候補になる
Alexaを利用して家事中の音声操作を始めるなら、候補になるのがAmazonのEchoシリーズです。
中でもEcho PopやEcho Dotは、タイマー、天気確認、音楽再生、買い物リストなど、今回紹介したような使い方を始めやすいスマートスピーカーです。
Echo Popは「まず声操作を試したい」人に向いている
Echo Popは、比較的コンパクトなスマートスピーカーです。
キッチンやリビング、寝室などに置いて、Alexaへ話しかけることでさまざまな音声操作ができます。
今回のように、タイマーや買い物リスト、天気確認を中心に使うのであれば、スマートホームを本格的に構築しなくても活用できます。
そのため、
「スマートスピーカーを使ったことがない」
「Alexaが自分の生活に合うのか分からない」
「まずは簡単な音声操作から試したい」
という人にとって、検討しやすい選択肢の一つです。
Echo Dotは音楽もよく聴く人に向いている
一方、家事中に音楽を流す機会が多いなら、Echo Dotも候補になります。
Alexaを使った基本的な音声操作はもちろん、普段はスピーカーとして使いながら、必要なときだけ話しかけるという使い方ができます。
スマートスピーカーを「家電を操作するための特殊な端末」と考えると用途が狭く感じますが、普段使いのスピーカーに音声アシスタントが付いていると考えると、日常生活に取り入れやすくなります。
料理や掃除をしながら音楽を聴く習慣がある人なら、こうした使い方のほうが出番は多くなるでしょう。
Echo PopとEcho Dotで迷ったら設置場所から考える
Echoシリーズを選ぶとき、細かなスペック比較から入ると迷いやすくなります。
そこで、まずは「どこに置くのか」を考えてみると選びやすくなります。
たとえばキッチン周辺に置き、料理中のタイマーや買い物リスト、天気確認を中心に使いたいのであれば、コンパクトさを重視して選ぶ方法があります。
一方、リビングなどに置き、家事中だけでなく音楽用スピーカーとしても使いたいのであれば、スピーカー性能を含めて検討したほうがよいでしょう。
Echoシリーズはモデルチェンジや世代変更もあるため、購入時には現在販売されているモデルの仕様を確認したうえで選ぶことをおすすめします。

音声操作に向いていないことまで無理に任せなくていい
音声操作は便利ですが、すべてのスマホ操作を置き換えられるわけではありません。
商品の価格を比較したい、地図を確認したい、写真を見たい、長い文章を読みたいといった作業は、画面のあるスマホやタブレットのほうが圧倒的に使いやすいです。
そのため、スマートスピーカーを導入したからといって、何でもAlexaで済ませようとする必要はありません。
むしろ、
見る必要があることはスマホ、聞くだけで済むことは音声操作
というように役割を分けるほうが便利です。
また、Alexaの機能にはインターネット接続が必要なものがあり、利用するサービスによっては別途アカウント登録や料金が必要になる場合があります。
音声アシスタントのプライバシーが気になる場合には、音声履歴やマイクに関する設定なども、利用前に確認しておくとよいでしょう。
スマホを便利にするより「スマホを触らない時間」を増やす
スマホは便利なので、何か調べたいことがあれば反射的に手に取るようになっています。
しかし、よく考えてみると、スマホを開いている理由が「7分測りたい」「今日の天気を知りたい」「洗剤を買うことを忘れたくない」といった、ごく簡単な用事だけということも少なくありません。
そうした操作まで毎回スマホで行う必要はないのです。
Echo PopやEcho Dotのようなスマートスピーカーの良さは、スマホ以上に多機能であることではありません。
「声で操作する」という別のインターフェースを生活に追加できることにあります。
特に料理、洗濯、掃除のように両手を使う家事では、この違いが使い勝手に直結します。
家事を大幅に効率化しようと考える必要はありません。
まずは日常の中にある、
「これだけのためにスマホを触るの、少し面倒だな」
という場面を一つ減らすところから始めてみる。
スマートスピーカーは、そのくらいの距離感で使い始めるほうが、むしろ生活に自然となじみやすい家電です。

